山行記

天狗岳の雪山を唐沢鉱泉から周回してきました(2020年1月4日)

西天狗岳

新年あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願い申し上げます。

さて年末に谷川岳に登って間もない、年明け早々の2020年1月4日に「天狗岳」に登ってきました。

本当はテント泊で行く予定でしたが、急遽用事ができてしまい日帰りでの雪山登山となりました。

どの山域も思ったほどの積雪量は無く、少々不安はありましたがひとまづ様子を見にいく感じの気持ちで行ってきました。

問題の唐沢鉱泉への道路の積雪状況も事前に調べた結果、4WD+スタッドレスなら問題ないとの事だったので、唐沢鉱泉からの反時計回りでの登山をチャレンジです。
あくまでも、2020年1月4日現在ですので、その後の積雪量如何では厳しくなるとは思いますので事前にチェックは忘れないようにしてくださいね。

目次

天狗岳データ

場所:長野県茅野市と南佐久の境(東天狗・西天狗の双耳峰)
標高:2646m
標高差:786m(奥蓼科登山口:東天狗岳)・780m(唐沢鉱泉登山口:西天狗岳)
行動距離:9km前後
行動時間:約7時間
山小屋:黒百合ヒュッテ
唐沢鉱泉(冬季休業期間有)
アクセス:中央道:諏訪ICか諏訪南ICより湯道街道(渋御殿湯)/エコーライン(唐沢鉱泉)
駐車場:奥蓼科登山口(渋御殿湯:有料)・唐沢鉱泉手前登山口駐車場(無料)

天狗岳登山コース

一般的に「天狗岳」への登山コースは2通りです。夏も冬も変わりはありませんが「雪山登山」という観点から見た場合、2020年1月4日現在では、どちらも登山道の雪は非常に少ないです。

双耳峰である天狗岳を「東天狗岳」を最初に回るか「西天狗岳」を最初に回るかで、出発点が変わってくるのでお好みでチョイス。

スタート地点は以下の通り

・渋御殿湯スタート(東天狗から西天狗)
・唐沢鉱泉スタート(西天狗から東天狗)

黒百合ヒュッテに「寄ってみたい」「食事をとりたい」等の理由がある場合は、スタート地点の違いもあるので、日帰りで周回する場合は計画性が重要です。

ちなみに「唐沢鉱泉スタート」(西天狗尾根)の場合は西天狗岳から東天狗岳のピークを踏んで黒百合ヒュッテを経由して、上り時とは違う下山道を使うのが一般的です。ですので唐沢鉱泉スタートは両天狗岳ピストンでない限りは「黒百合ヒュッテ」を経由することになります。

※唐沢鉱泉~渋御殿湯分岐~黒百合ヒュッテ~東天狗岳のコースもあるので時間配分により色々コース選択はできます。

また「渋の湯スタート」の場合は必ず「黒百合ヒュッテ」を通過しますが時間帯によっては食事ができない可能性もあります。時間ペースを間違ると東天狗岳だけのピストンになることもあります。(個人のレベルによる)

どうしても「渋御殿湯スタート」の場合は、ややハードルの高い駐車場受付(笑)をしてからになるので、早くても6時半スタートになってしまいます。

天狗岳へはマイカーでのアクセスがほとんどだと思いますが、今回の唐沢鉱泉へのルートは2020年1月4日の時点では問題ありませんでしたが、唐沢鉱泉の営業終了以降(1月半ば以降?)は除雪がなくなるので、4WD+チェーン+スタッドレスでないと無理な登山口になります。

渋御殿湯スタート(時計回り)

昨シーズンの天狗岳はこちらから登りました。渋御殿湯の駐車場が一番の肝です(笑)。この時は時間が間に合わず西天狗岳を踏むことはできませんでした。でも普通の脚力なら十分に西天狗岳のピークを踏んで、下山することはできます。

登山口~黒百合ヒュッテ~中山峠~東天狗岳

昨シーズンの天狗岳はこちら

唐沢鉱泉スタート(反時計回り)

今回のコースです。登山道的には渋御殿湯と変わりませんが、途中から尾根の淵を上っていくので、時折展望が晴れる見晴台があるので、飽きずに上れると思います。黒百合ヒュッテ・中山峠側から東天狗岳に上るより、やや急登な場所は多いかもです。

ヤマレコで確認できます
天狗岳唐沢鉱泉周回地図

駐車場

雪山登山では、どのエリアに行くにしても積雪のある林道を通ることが普通ですよね、そしてその先に駐車場があるといった具合、まぁこれが駐車場につくまでドキドキなんですよ!

渋御殿湯

色々とネットには書かれていますが、ここしか駐車場は無いので頑張りましょう(笑)。

注意点
・駐車場前での待機はNG(車中泊等)
・勝手に好きな場所に止めてはいけない(女将さんの指定)
・受付を先に済ませましょう

さて渋御殿湯までの林道ですが、こちらは通年営業ですので除雪はされますが、林道故に勾配のキツイところでの急カーブがあるのでこちらも冬期では最低

「4WD+スタッドレス」で挑みましょう!(チェーンは携行)

唐沢鉱泉

今回の唐沢鉱泉の登山者無料駐車場までは、結構するどい上りのカーブがいくつかあるので、前述の唐沢鉱泉休館以降の除雪がない時期は、万全の対策でいかないと駐車場までたどり着けないと思います。

「4WD+スタッドレス+チェーン」で挑みましょう!

幸いにも今回は雪が少ないこともあり、無料駐車場手前の4~500mほどしか雪はありませんでした、スタッドレスで十分登れる勾配です。(不安な方やFFの方はチェーンを装着していました)※凍結箇所はいくつかあるので慎重に!

駐車スペースは20台が良いところでしょうか、止められばかった場合は麓方行に向かって路駐していく感じです。

ちなみにトイレですが、冬期閉鎖(公衆トイレ)となっていますが、そのトイレの後ろに工事現場で見る簡易トイレが1つあり利用できます。

車中泊も多い駐車場なのでトイレは助かりますが、唐沢鉱泉の休館以降はどうなるのか?

唐沢鉱泉トイレ

山行記

身支度を整えたら出発です。登山口となるのは「唐沢鉱泉」を過ぎてすぐに川のほうへ右に降りていきます。すると橋があるので、ここを渡るとすぐに上り斜面に突入です。

西天狗岳登山口

「ツボ足」「アイゼン」「チェーンスパイク」と悩むところですが、積雪時の歩行技術の有無で変わってきます。

自信のある方は「ツボ足」で山頂直下までは十分ツボ足で上ることができます。

少々すべる個所や上り斜面ではあるので「チェーンスパイク」を装着していればまず間違いはないかと思います。(ただし西天狗岳の取り付きまで)

「アイゼン」はトレーニングだと思って装着するほうが良いかもです♪今回は山爺も雪が少ない状況ではありましたが、登山口の橋を渡った時点からアイゼンを付けて上りました。もちろん滑るという状況はありませんが、逆に「軽い岩場」「木の根っこ」等への注意が必要で、舐めてかかると引っ掛かって転びます(笑)。

だから「アイゼントレーニング」なんです♪

いかにアイゼン装着のまま普通に歩けるかを勉強するには良いかもしれません!

唐沢鉱泉登山口~枯尾ノ峰分岐

橋を渡ってスタートですが、そこそこの上りで歩き始めとしては少々息が上がります。アイゼンを付けての樹林帯で所々は「土」「岩」「木の根っこ」が露出しています。昨年の同時期の渋御殿湯からの状況より積雪量は少ないです。

天狗岳西尾根

まず目指すは「枯尾ノ峰分岐」です。

なんてことない上りですが、気温に合わせてレイヤリングは調整してください。汗だくで登っている方の帽子に汗で出来たツララがぶら下がっていたのには驚きました!

気温計を見ると概ねマイナス5℃前後です、そりゃあ凍りますわな(笑)。

そんなこんなで、えっちら登りつつ枯尾ノ峰分岐に到着で小休憩!

分岐

枯尾ノ峰分岐~第一・第二展望台

この分岐でアイゼン装着をされる方も多かったですね。あと最初のポイントなのでエネルギー補給もします♪

毎度の「えいようかん」を食しましたが、固くなっていたのは仕方ないのですが、いかんせん「冷たい」!マイナス5℃では仕方ないです!ここで学習しました体に近い上着のポケットに入れておくことにします。(普段はパーゴワークスのパスファインダーを胸付けして行動食等を入れてます)

栄養補給をした後は、ひたすら尾根筋を上っていきます、次に目指すは「第一展望台」です。

天狗岳西尾根1

第一展望台を目前にして、開けた見晴らしの良い場所に出ます!何を隠そう山爺はここが「第一展望台」だと思っていたのは内緒です!

見晴らし

ここは嫁のテンションが最高潮に達した瞬間でした(笑)。

見晴らし

で、本当の「第一展望台」へ到着!

第一展望台

第一展望台見晴らし

明らかに多少の樹林帯はあるものの尾根筋の稜線上にでたので、ハードシェルを着込みます。

次に向かう「第二展望台」から西天狗岳への取り付きは直ぐなので準備をしておきます。「案外、この尾根筋長いな~」と我に返ったのでした(笑)。

第二展望台

ということで「第一展望台」を過ぎて「第二展望台」を通過です。第二展望台を過ぎると少々の樹林帯がありますが、ここが風を受けない最後の休憩ポイント並びにレイヤリングの準備場所になります。

西天狗岳取り付き

見るからに西天狗岳の上空は風がありそうです、さっきまで晴れていましたが「ガスガスワールド」全開の様相です。

西天狗岳山頂

第二展望台~西天狗岳

ちょいと天候はご機嫌斜めですが、いざ「西天狗岳」山頂を目指します!

トレースはあるにはありますが、風のせいと雪の付きが悪いため、どこを登ってもいけそうなトレースがいくつも見受けられました。

西天狗岳山頂へ

そこそこの急登ですので、頑張って登りましょう♪

ちなみに山爺はここから「ヘルメット」「ピッケル」スタイルに変身しました。ゴーグルを付けるまでの強風ではなかったので「サングラス」のまま進みます。

西天狗岳山頂へ2

とここで前を行く登山者とトレースを探している際に、その登山者がいきなり腰までの踏み抜き!違ったトレースに入り込み、誰も歩いていなかった部分へ足を入れてしまったようです!

ルートファインディングは慎重に!!

でガッスガスの「西天狗岳」山頂です!

西天狗岳山頂標識

西天狗岳~東天狗岳

少々晴れ間が出るかと粘ったのですが・・・ダメでした!

ガスガス

では「東天狗岳」へ向かいましょう♪晴れてればこの東天狗岳までの稜線は気持ちが良いのですけどね!特段難しいルートではないのでそのまま進みます。

西天狗岳東天狗岳稜線

稜線からはほぼ直登ですが、雪がしっかりあれば適切なところにトレースができていると思います。

東天狗岳上り

東天狗岳で少し晴れ間が一瞬出ましたが、直ぐにガスガスワールド(笑)。これもまた登山なり!

東天狗岳山頂

お腹もへってきたので次なるポイント「黒百合ヒュッテ」を足早に目指します。

東天狗岳~黒百合ヒュッテ

東天狗岳山頂から黒百合ヒュッテを目指すには2通り!

・中山峠経由
・天狗ノ奥庭経由

若干、中山峠経由のほうが距離は長いですがトレースがしっかりしているので初心者の方はこちらのルートを選んだ方が簡単です。天狗ノ奥庭経由は「積雪量」により難しさが変わります。2020年1月4日時点では山頂直下から見ると、岩場の方が多くアイゼン装着での歩行はかなり面倒になると思います。

また仮に積雪量があったとしてもルートロスもしやすいコースなので、注意が必要になってきます。

東天狗岳山頂を出発すると、すぐに岩場を下山方向左側へトラバースしながら天狗ノ奥庭分岐を目指します!

途中は急峻な下りもあります、すでにアイゼンは付けていると思いますがアイゼン無しでは下りられない場所ですのでしっかり歩行してください。

次に目指すは「中山峠分岐」になります。上記の分岐からは崖の縁の樹林帯を通ったり、割と大き目な岩場を下ったりしますので足元には注意!

この看板が見えたら、もう安全圏です。黒百合ヒュッテまでは5分ほどで到着♪

中山峠

さあ黒百合ヒュッテに到着!

黒百合ヒュッテ

本日の目的の一つである黒百合ヒュッテの「ビーフシチュー」と、嫁は「骨付きチキンのカレー」を頼みます!

黒百合ヒュッテビーフシチュー

黒百合ヒュッテ骨付きチキンカレー

正直、山小屋レベルじゃないです!ぜひ皆様も食してみてください、かなりおすすめ(^^)

お腹は満腹で、黒百合ヒュッテを後にします。

黒百合ヒュッテ~唐沢鉱泉

黒百合ヒュッテから唐沢鉱泉を目指すルートは、渋御殿湯に向かうルートと途中までは一緒です。

黒百合ヒュッテ前

まず目指すは「渋御殿湯」との分岐です。

渋御殿湯分岐

黒百合ヒュッテを出発して直ぐにトラップ的な場面に遭遇します、そう「金属のアミアミラダー」です!

金属アミアミラダー

唐沢鉱泉に降りる間に5~6箇所は出てきます、この金属のアミアミラダーは本来なら積雪量があり埋まっていると思うのですが、いかんせんこの積雪量の少なさなので思いっきりむき出しです!

何が危ないってこのアミアミラダーは「アイゼンが引っ掛かります」!!垂直に足(アイゼン)を真上に上げないとすぐにこの網目に引っ掛かるので要注意!!

木道も出ますし、木製階段もありと少々アイゼンでの歩行は難ありですが、自信のある方はツボ足でも行けます。初心者の方は最低でもチェーンアイゼンは付けておいてくださいね。特に下りは滑りますので!

木道

分岐に着いたら、方向を間違まないように進みます。ここからも木の根っこや少々の岩もあるので足元に注意して歩けば問題はないです。

階段も出て来たりします。

階段

鉄パイプの橋をいくつか渡ったら唐沢鉱泉の上流部に到着するので、坂道を下っていけば唐沢鉱泉に到着です。

鉄パイプの橋

最後に渡る橋はこんな感じ。

赤い橋

良くSNS等で見る景色は、上の赤い橋を渡ってちょっと行くと川の脇にありますよ!

唐沢鉱泉源泉

これで唐沢鉱泉の前を通過して駐車場まで戻ったら下山完了♪

唐沢鉱泉

まとめ

今年の雪山はどこも雪が少ないのは承知でしたが、ここまで雪が少ないとは!地球温暖化も本気でやばそうです!!
スキー場の雪不足もTVのNEWSで取り上げられていましたが、毎年毎年こんな状況になっていくのでしょうか??

と、話はずれましが新年早々の「天狗岳の雪山」山行でしたが、年末の谷川岳よりもやっぱり樹林帯は多いものの景色が色々と変わるので、やっぱり楽しいですね♪

積雪の少なさで登山道の状況が様々ですので、アイゼンの歩行トレーニングはもってこいです!初心者の定番雪山ですが、2020年1月4日現在の登山道のコンディションですと、一気にアイゼンでの歩行技術が上がると思います。

岩場・木の根っこ等の悪路・圧雪・新雪くらいの状況が至る所にあるので、ぜひアイゼントレーニングがてら行かれてみてはいかがですか♪

ただし、寒さや強風はありますのでそれなりの装備で挑んでくださいね(^^)

ではでは

ぽちっと応援お願いいたします。

-山行記

© 2024 Out Door Base