「登山をしている」と言うと、友人や仕事絡みの方に色々と聞かれませんか?
当然ですよね、登山をした事のない人から見たら結構異次元な世界だし、必ずと言って良いほどTVやNEWSで遭難事故や滑落事故の報道がされるので、危険で楽しい事ではないと思っている人も多いのが事実かな。!
今回は、これから登山を始めようと思っている方や、登山初心者が気になっている事も含めてQ&A方式で記事を書いてみたいと思います。
目次
よくある登山に対する質問
冒頭でも書いたように、登山をされていない方にとって色々と未知な状況が想像しているみたいですね(笑)
想像や聞きかじった内容が、あながち間違っていない事に驚きますが!でも一般の方(登山をされていない方を含む)は、登山に対してそんなイメージを持ってるんだなぁ~って思います。
これから登山を始めようと思っている方にとっては、マイナス?ネガティブ?な回答になるかもしれませんが、全部ひっくるめて登山なのでご理解を♪
Q:「何で登山するの?」
A:足腰・体力維持と健康のためです(個人的な理由)
何で登山をするのと聞かれたら、たぶん登山者10人10色な理由になると思います!「きれいな景色をみたい」「達成感を得たい」「健康のため」「きれいな写真がとりたい」と本当に様々だと思います。
登山をするきっかけは何であれ、登山をしているうちにその理由に気づく場合もあるので何とも答えようがないのが本音かも!有名な言葉に「山がそこにあるから」という理由もありますよね(本当は誤訳だったらしいですが)。
Q:「登山って疲れますよね?」
A:はい、とっても疲れます。
疲れない登山はありません(笑)。大なり小なり疲れますし、登山から帰ってきて数日の筋肉痛でマリオネットのような歩き方になることも!
そうならないためにトレーニングをしたりするんですけどね♪初心者や登山をしない方にとっては、「登山をするため登山でトレーニング」って何のこっちゃって思いますよね!
そのトレーニングも疲れるんだから、意味不明かもしれませんね!
Q:「登山って危険ですよね?」
A:はい、危険です!
登山は低山のハイキングから高山における登山まで全てにおいて、危険なことはあります。もちろん危険度の大小は変わってきますが、逆に危険予測・回避スキルを持つことによって危険度は変わります。
岩場・鎖場・崖・急峻な下り・滑りやすい登山道・蜂・熊・虫・天候…キリがないほどです。
登山は自然相手ですので、目に入る物・歩行している最中は全てが危険の範疇になります。じゃあ高尾山も危ないんですか?と聞かれたらそれはチョット違いますが、どの山に登山をしようが、必ず不注意や技術不足によって危険に身をさらしてしまうって事を認識する必要があります。
では一般登山道で死亡事故の起きるような危険な山として注意喚起されている「剱岳」はどうでしょうか?何も技術や知識を持っていない超初級の登山者にとっては100%危険な山だと言えますが、三点支持(確保)・体力・歩行技術を兼ね備えた登山者にとっては30%位までには危険度を下げることができます。
登山における危険度は、その人にとってどれだけの経験や技術等が重なって上下します。なので登山全てが危険というわけではなく、危険なレジャーではあるがその危険を減らすことはできるんだと思ってください。
Q:「登山ってお金掛からないんですよね?」
A:めちゃめちゃ掛かります。
ざっくりおおよその数字でこれから登山を始めるという体で書きますと以下の感じです。
・無雪期:10万(ザック・登山靴・雨具・小物)
・積雪期:15万~20万(登山靴・ハードシェル・アイゼン・ピッケル等)
・テント泊:10万(テント・寝袋・マット・火器類)
始める季節にもよりますが、最初はそこそこお金がかかります。あくまでも登山を始めるにあたって最低限の装備品だけです。
ここに登山をする毎にかかる登山口までの交通費や小屋泊だった小屋泊代、行動食代と諸経費がかかってきます。
道具は少しずつ揃えることができるので、初回にドカンと大枚をはたかなくても大丈夫ではあります。
Q:「荷物(ザック)重くないんですか?」
A:くそ重いです。
とは言うものの、日帰りかテント泊か小屋泊か数日に及ぶ縦走なのかで変わってきます。下記は山爺のおおよその背負い重量です(ザック+荷物の総重量)
・日帰り(無雪期):10kg
・日帰り(積雪期):12kg
・テント泊(無雪):17kg
・テント泊(積雪):22kg
確かに重いですよね~ただ現在のザックはその重さを感じさせないような構造や技術が盛り込まれているので、少しは重量を軽く感じるようになってます(肩と腰による重量分散)。
この重さを背負って歩くわけですから、登山をやらない方にとっては意味不明ですよね(笑)。
最低限必要な物が入っているのですが、この重量は登山のスタイルによっても変わりますし、個人差がかなりあります。常に入ってるけど使わないものや、万が一の不測の事態への対応時にしか使わないものも入っています。
その時に計画した登山(山行予定)を、シミュレーションして何をザックに詰めるのか決めていきます。おおよその背負い重量を書きましが、天候(気温)やその山域によっても持っていくものは変化します。
Q:「登山ってお風呂とか入れるんですか?」
A:基本お風呂はありません。
以前記事にもしましたが。登山中はお風呂には入れないと考えておいてよいです。一部の山小屋ではお風呂があったり、シャワーが使えたりもしますが、ほんのごく一部になるので登山に言ったらお風呂は無いと思ってください。
なので、ボディータオルは必須です、特に夏場はこれがないとベトベトの体のまま何日もそのままです(笑)。
人間、数日お風呂に入れなくても問題ありませんよ、しょせん自然から見たら小っさなことです(笑)。
Q:「山ってトイレあるんですか?」
A:有ったり、無かったりです。
山小屋さえあれば、ほとんどトイレはあります。ですがトイレを使用するには有料なので小銭を用意しておきます、協力金という名のトイレ使用料で¥100円が多いです。
下界(街中)と違って、山の中は山小屋等を管理している人が糞尿の後始末をしてくれています。ありがたく協力金を払いましょう♪
※トイレ使用時のトイレットペーパーは流しません!備え付けの箱等に捨てます、間違って便器の中に捨てないように。(使用済みティッシュを持ち帰ることもあります)
万が一、山小屋も無くトイレも無いところで…の場合は、最近では携帯用のトイレを持参し糞尿は持ち帰りが推奨です!(昔は土に穴を掘り「野〇ソ」をしていましたが環境美化と保護の関係で推奨はできません)
なので登山中はどこにトイレがあって、どのように体調管理(トイレ休憩)するかも問われます。
Q:「山って涼しいんですよね?」
A:暑いです(夏場限定)
よく夏場は高山地帯は避暑地みたいな言葉もありますが、気象条件(風や雨等)にもよるのですが、2019年の夏場の高山エリア(標高2,500m以上)の話ですが、風が無く稜線上で太陽を遮るものが何も無い状態ですと、熱中症になるくらい暑いです。
ましてや重いザックを背負って歩きますし、高山ゆえに紫外線の量は下界より多いです。日焼け止めや暑さ対策をしないと、あっという間に熱中症になる勢いです。
「高山は涼しくて避暑地」なんてのは昔の話で、下手したら下界と変わらないんじゃないかと錯覚するくらい暑いと思っていいです。
Q:「高山病になった事ありますか?」
A:あります。
高山病は全くならない人もいれば、たまになる人、毎回なる人と様々です。ちなみに山爺はたまに高山病になります。標高は2,500を超えた場合で、だいたいは頭痛を発症します。それ以上の重篤な症状にはなってはいませんが、ひどい場合は命に関わるので下山するのが一番の特効薬です。
病院等で薬を処方してもらえるそうですが、山爺の場合は頭痛薬(アスピリン)をエマージェンシーの中に入れてあります。
この高山病は、実際に登山してみないと発症するのか否かはわからないので困ったもんです。一度でも経験すると対処や事前の準備もできるのですが!
Q:「登山の時、水ってどうするんですか?」
A:雨・沢・雪なんでも水として飲みます。
基本は自前である程度の水は持って登山をしますが、テント泊や縦走となるとそういうわけにもいかず、ポイントポイントで水の補給をしていくことになります。
この水の確保は命に関わるので、水のマネジメントが必要になります。その山域ではどこに水があって、山小屋で水は確保できるのかという事前情報も大切になります。
水の種類にも色々あって、雨水を消毒して販売しているものや、沢の水をダイレクトに引いていて飲み放題とか、その山域で異なってきます。雪山の場合は雪を溶かして飲み水や煮炊きに使います。
下界で考えられないですが、雨水を有料で買うって意味不明ですよね(笑)。
なので、お腹の弱い人はちょいと厳しいので、煮沸してから飲むことをお勧めします。
Q:「山小屋ってカレーが¥1.000って本当ですか?」
A:はい、¥1,000します。
ちょっとオーバーかもしれませんがカレーが¥1,000する山小屋もあります。
登山をされない方にとっては何でカレーが¥1,000って思うかもしれませんが、山深い山小屋まで食材を運ぶのにヘリコプターや人力で運び、コストがかかっています。ですのでどうしても料金に転嫁しなければなりません。
深い山奥で食事ができるだけでありがたいと思いましょう♪
Q:「熊とかに襲われないんですか?」
A:襲われます(場合によっては)
幸せにも山爺は目撃も襲われたこともはありませんが、北海道ならヒグマ本州ならツキノワグマが出ます。
最近は本州でも結構な頻度で登山道でツキノワグマの目撃情報はあります。秋の連休に行った上高地経由の槍ヶ岳山行でも、横尾山荘からいくらも山に入っていない沢で熊が出ています。
今や熊鈴は持っておかないといけないアイテムになってますし、熊と遭遇した場合の対処も事前にシミュレーションしておかなくてはいけないようになりました。
ただ、そうそう熊とは出会わないのであしからず!熊も人気の多いところは避けますからね!
Q:「登山ってお金掛からないんですよね?」
A:めっちゃ掛かります。
正確には徐々に掛かってくるという表現が良いかもしれません。最初から必要ではない登山アイテムもあるので、少しずつ揃えていくことになると思います。ですので、最終的にそろい終わった時に、総額としてはお金掛かったなぁ~って事になります。
また意外にも登山口までの交通費や飲食代も馬鹿にならないものがあります。先のカレー¥1,000の話になりますが、山小屋等での飲食は下界に比べれば割高になります。
交通費も公共交通機関・車と登山をする山域によってかなりかかる場所があります。
パーティー登山(複数人)の場合は車のほうが安くなる場合が多いですが、単独の場合は公共交通機関のほうが安いという訳でもないので難しいところです。
まとめ
今回はかなりソフトに記事を書いたつもりですが、この記事を見て「登山始めるのやめた」とならないことを祈ります(笑)。
一番、重要なのは「登山って危険ですよね?」の件です。確かに危険な側面は否めません。ですがそれを分かった上での「登山」になります。
危険を回避するだけの知識・技術・体力をつけることによって、下界では味わうことのない世界が待っています。
冒頭でも言いましたが、何で登山をするのか?と言えば「健康と体力増強」のためです。登山を始める理由なんて何でも良いんです♪だって数年前まで山爺は登山が嫌いでしたから(笑)。
関東圏の人なら、お決まりの「高尾山」あたりをケーブルカーを使うもよし、使わずに下から登ってみるもよし。まずは登山ってどんなもんか経験してからじくっり考えても良いと思います。もしそこで何か、普段のライフスタイルとは違った思いを感じたら登山にのめり込んでみてください♪
まだ見ぬ世界がいっぱいあるし山は逃げません^^。
山はいつでも待っていますよ(笑)。
ではでは