ギア・その他

登山マナーのあれこれ!(初心者向け)

先日の槍ヶ岳の初日の事ですが、徳沢からババ平に向っている際の出来事でしたが、非常に気持ちのいい体験をしました。

それは「挨拶」です♪

もちろん登山をされている方ならご存知だと思いますし、挨拶をしていると思いますが、この日は今までの山行の中で一番気持ちの良い挨拶の体験をしんたんです。(横尾を過ぎて上りが始まったくらいの箇所で)

登山者:「こんにちわ!がんばってください!」
登山者:「おはようございます♪もう少しで山荘に着きますよ、がんばってください!」

嫁がふらふらになっていたこともあるんでしょうが、一様にこの日にすれ違う登山者とは気持ちの良い挨拶を交わしました^^。

この挨拶もある意味、登山マナーの一つに入るのかな?

そんなこんなで、今回は登山のマナーをおさらいしてみたいと思います♪(初心者向けですよ~)

目次

登山マナーは色々ある

登山にはそれぞれの場所や時間、行動においてマナーやルールがあったりします。初心者にとっては「は?何それ知らないよ!」って思う事もたくさんあると思います。ですが、ある意味登山におけるマナーやルールは知っておかないと、命に係わる事も・・・!ちょっとオーバーかもしれませんが、そんなルールやマナーもあるのが本当のところです。

今回は初心者向けなので、すんごい基本を3つのパートに分けて記しますので、頭の片隅に置いておいてくださいね♪

登山マナー1

このマナー1では主に登山道や歩行時のマナー(ルール)です。一番最初に理解しておかないといけない項目なので、必ず実践しましょう!ですが中にはケースバイケースも含まれますので、場合よっては臨機応変を求められることもありです。

あいさつ

必ず論議にあがる話題(必ず「あいさつ」はしなきゃけないのか?)ですが、この登山における「あいさつ」は色々な意味が含まれているので、山爺的にはよっぽど自分がキツイ状態でなければ「挨拶は」しています。要は「あいさつ」をすることによって、双方の確認(こんな人が何時ごろ通過しましたよって言う情報になり得る:万が一の遭難等に役立つ)。

ですので、冒頭でもふれましたがセリフはともかく「あいさつ」は気持ちのいいものですし、上りのキツイ時に一言くわえられた挨拶は頑張ろうってなりますよね♪

上り優先

この「上り優先」も色々と論議はあります。基本的には、登山者が1人しか通れない登山道や、2人通れるがやや安全に通過するには怪しい登山道では上りの登山者が優先で登山道を進むことができるルールなので、下山(下り)をしている登山者は上りの登山者が通過するまで待つことを指します。

基本的にはそうなのですが、この「上り優先」は時として下りを先に通すこともあります。なぜなら例えばかなり急登な登山道においては上りの登山者はかなり肉体的にきつい状態にあるので、下りの登山者を待たせるより先に通したほうが、ゆっくり上れるって場面がちょいちょいあります。

どうしても下山する登山者が待ってくれていると思うと、無理をしてゼェ~ゼェ~言いながら瀕死の状態で上るよりは、先に下山者を通してしまって自分のペースで上ったほうが良いですよね!これがケースバイケースの典型的な例です。

なので山爺は、ツアー登山をされている数名のグループを待つ場合は、『急がないでゆっくり上がってきてください』と声を掛けます。自分も初心者だったころを思えば数分の上り登山者待ちなんて、どうってことないですよ♪中には、いるんですよ我先に上り・下りとプレッシャーを後ろからかけてくる傍若無人なヤツが(怒)!

歩くときは1列

基本的によっぽど広い登山道でなければ、1列で歩くのが基本です!

観光地を通らざる負えない山域の場合に良く見る例ですが、横に2名とか3名とかで平気で歩いてきて、避けもしないグループも多々見ます。まぁ、正直恥ずかしい行為ですよね。一人で歩いてる自分が何で避けなきゃいけないのって普通は思っちゃうわね!!

なので、初心者(グループ)で登山に来て楽しいのは判りますが、それなりに登山経験のある方からは実は疎ましく思われてますよってことだけは肝に銘じた方がいいですよん。

まれに、横に並んで歩いているグループに突っ込んでいく頑固そうな先輩の登山者を見たことがあります(笑)。

まぁ、本当の登山道に入ってしまえば否が応でも1列でしか歩けませんけどね^^。

すれ違い(狭い登山道)

登山道でのすれ違いはとても気を付けなければなりません。基本は山側に立ち止ってすれ違うのが原則です。がしかし、この「すれ違い」もケースバイケースな場面があります。

例えば山側に退避できるスペースがない場合や、急峻な上り下り問わず岩場でのすれ違いや、やり過ごしはこの限りではなくなります。上り下りどちらが優先と言うわけでもなく、安全スペースを確保できるほうが立ち止まってやり過ごす形になります。

その時のスペースや安全か否かで判断し、譲り合う事が大切です♪

食器類は洗わないでティッシュで拭きとる

ファミキャンやBBQ系のキャンパーから登山へ入ってくると不思議かもしれませんが、山では自分で使ったクッカー・コッヘルやカップ等の食べ物による汚れは全てティッシュ等で拭きとる事になります。

テント場には水場がありますが(無い場合もあります)基本食器類を洗うのはNG!仮に洗えたとしても洗剤も使えませんし、ましてや食べ残しを水場に捨てるのも完全なNGです!

ですので登山者は一様に、食べ物をクッカー・コッヘルやカップに入れて食事をした場合、ティッシュで拭けば綺麗になるくらいまで舐め食べまわします(笑)。

上記は表現が良くありませんが、コッヘル等に残ったスープやソース等をパン等できれいに取って食べたり、最近はシリコン素材のスプーンがあるので、それでこそぎ落としたり、スクレーパー等できれいにする方法もあります。

それから、パスタをした場合ゆで汁が残ると思うのですが、そのゆで汁はスープ用のお湯にしちゃいます!なのでトロ~りした系のスープを選んでおくと気にならないですよ~♪(山爺がもっぱら早ゆでパスタを使い茹で上げ限界ギリギリまでの水を入れて、茹で上がった時点で水が無くなるような水量にします)

もちろんラーメン等のスープは完食完飲です!

ゴミは持ち帰る

当然、ごみは全て持ち帰りです!

このゴミの持ち帰りも時折山小屋さんのHP等で警鐘が鳴らされていますね!いるんですよ、確信犯的なヤツがね!
↓よかったら読んでみてください。
https://www.yarigatake.co.jp/yarigatake/blog/details/1889/

このマナーについて他に言うことなし。

登山マナー2

さあ今度は、どちらかと言うと登山における居住問題や行動に関する事です。現実このマナー(ルール)を知っておかないと最悪死んでしまう事もあるので重要です。

山小屋・テント場への到着時間

早速、このパートでの核心です。

山小屋・テント場への到着は15:00がルールです!(どんなに遅くとも16:00です。季節により変化)

この15:00必着ルールがなぜあるのか?理由は複合的にあるんです。

①日没前に目的地に到着させる(日が暮れた山の中は暗闇です)
②特に夏場は午後になると夕立や雷雨と天気の変動が大きいため(稜線上を早い時間帯に抜ける為)
③山小屋さんの夕食が混雑時は17:00スタートな為(笑)
④15:00着という暗黙ルールのおかげで遭難等の安否確認ができる(山小屋においては)

まぁ理由とすればこんなもんでしょうか?夏場であれば確かに16:00でも大丈夫っていえば大丈夫でしょうが、その場合テント泊の場合はスペースが無いと思ったほうが良いですね。山小屋さんの場合は連絡を入れないと、かなり心配されますよ特に16:00を過ぎるような場合は!

なので、必ず目的地には15:00到着を目指して山行計画を立てることが肝要です!(早い到着になる分には一向に構わない、その分ゆっくりできますよ♪)

早寝早起き

みなさん「早寝早起き」で健康になりましょう(笑)。というのはおふざけですが、上記の15:00着ルールとも関係してきますが、基本的に日帰り登山でも縦走登山の場合でも、目的地に最悪15:00着というスケジュールの逆算でスタート時間を決めることが一般的なルールです。

もちろん15:00というのは最終なので、だいたいみんな13:00~14:00には目的地到着でき余裕をもったタイムスケジュールを立てます。そうすると、だいたい4時起きの5時スタートとか、3時起きの4時スタートとかになってお昼過ぎには目的地に到着っていうパターンが多いです♪

夏山だと午後から雲が湧いてきて、突然の雷や雨に遭遇してしまう確率が上がります!これが逃げ場のない稜線上だったら・・・(怖)、その為に早い時間から行動して稜線を雲の湧くような時間を回避するって目的もあったりします、もっとも夏場は風がないと地獄のような暑さなので涼しいうちにスタートするほうが身体的には楽なんです♪

雪山でも同じなんですよ、特に残雪期は太陽が上がって気温が上がると雪が緩んできて雪崩の危険度合いも高まるので、ちょっと暗いうちからスタートして早めの下山を心がけます。

話は逸れますが、我が家の登山帰りあるあるなのですが、数泊の登山をしてから日常に戻ると、なぜか勝手に朝4時とか5時に目が覚めます、そんな人いませんか?(笑)。

山小屋・テント場での会話(声量)

この「会話や大きい声」の問題は必ずあります。特にグループ数名で来ている方々は、夜ご飯の時間帯からお酒も入ってきているので、かなりの大声で笑ってしゃべってが散見されます。

山爺はテント場が多いので、特に気になります。多分、山小屋の場合は強制消灯なのでそこまでないでしょうが、テント場の場合はテントに入って寝るまではしゃべり放題ですし、飲み放題食い放題なので、テンションの上がったグループが時折うるさいことは間々あります!

普段温厚な山爺も一度だけ、八ヶ岳のオーレン小屋のテント場で怒鳴ったことがあります(笑)。自分より10歳以上は年上の先輩方3名でしたが、8時を過ぎても宴会が終わる気配もなく、でかい声で笑ってしゃべっていたので一喝!その後止みましたけどね(笑)。

特にテント場は19:00が消灯だと思ったほうがいいです。20:00は真夜中な位ですので、早いと18:00には寝始めているので注意です!あんがい、テントの中の会話もヒソヒソ話くらいにしないと、本当に静寂の中なので丸聞こえですからね~!

ヘッ電

最近のヘッ電は軽~く300ルーメンもあるので、これを人に向けたりテントを照らしてはいけません!そうとう眩しいです。

ヘッ電を使うシーンとしては様々な事があります。

①日が落ちてからのテント場(食事・トイレ等)
②日の出前のハイク
③山小屋消灯後のトイレ等

まず①ですが、時折いるのですがヘッ電を全開正面照射のまま歩いてくる人が・・・すげぇ~眩しいからやめて(笑)。正確にはヘッ電の角度を変えて登山道(通路)をてらしてください。または首からぶら下げて、足元のみの照射もいいですね♪

それから、完全に日が落ちてテント場も寝静まったころに、トイレ等で行き来をする場合は、絶対に他人のテントを直接照射しちゃダメですよ~先にも言いましたが最近のヘッ電はめちゃめちゃ明るいので、簡単に他人のテント内まで明るくしてしまいますし、寝ている方を起こしてしまうので。出来る限り通り道のみを照射しましょう♪付け加えるとテントの細引(ガイライン)には気を付けてね!

次に②の場合ですが、日の出前はほとんど真っ暗でナイトハイクと同じになりますが、この時も対向者(すれ違い者)がいなければ問題ありませんが、仮にいた場合はヘッ電の照射の向きを気を付けましょう~目つぶしになっちゃうので!

次に③ですが、山小屋はもっと気を付けなければなりません、テントもないので直に人の顔を照らすことになっちゃうので・・・!ですがご安心を、ヘッ電には大抵赤いLEDランプがついているので、小屋内であれば赤色照射で十分見えるのでその光源で動きましょう。

トイレ全般

普段何気なく使っている、街中での公衆トイレや建物内のトイレとは訳が違います。山の中での代表的なトイレのタイプを紹介します。

・ぼっとんタイプ
・簡易水洗タイプ
・バイオトイレ
・完全水洗タイプ

登山中の山小屋や国立公園内のトイレは、上記のいずれかのタイプになると思います。ご想像通り「完全水洗タイプ」はごくごく稀に遭遇しますが、大半が「ぼっとんタイプ」「簡易水洗タイプ」になります。

ここで覚えておくのは、使用済みのトイレットペーパーの扱い方です。基本的に「ぼっとんタイプ」「簡易水洗タイプ」の場合は足元に置いてある箱等に捨てます、間違っても便器の中に捨ててはいけません
また「完全水洗タイプ」は流して良いところが殆どです、バイオトイレも基本トイレットペーパーは捨てても良いのですが、注意書きがあるような場合はそれにしたがって下さい。

登山マナー3

山爺はマイカー登山が主ですが、トレーニング登山の時は電車が多いので交通機関を利用した際のマナーをご紹介。

公共機関(電車やバス)での注意(マナー)

電車での移動に関していうと、ザックに外付けしてあるギアに注意です。

・ポール(ストック)
・アイゼン
・ピッケル

無積雪と積雪期ではちょっとザックについているギアは異なりますが、ポール(ストック)は共通ではないでしょうか?一般の登山をされない方にとっては危険と感じる場合もあるので、電車(バス)内では注意が必要です。

ザックへのポール(ストック)の付け方

ザックへの取り付けは諸説ありますが、山爺の場合はグリップ部分をザックの上部にくるように装着させることが多いです。また逆に装着(石突き側を上)する場合は、キャップが付いていてもザックから外せと言われることが多いので(特にロープウエイ)、最低限ポール(ストック)のキャップ側にはガードを付けた方がいいです。(グリップが上側だと手首ストラップが木の枝等に引っ掛かるので、下にした方が良いと言う意見もあり)

まぁ安全第一なので、グリップ側を上にしておくほうが安全かも♪かつ余裕があれば石突き側はキャップは当然ですが、100均あたりで椅子の足に履かす靴下みたいなやつを嵌めておけばOKですよ~。

※岩場や木の枝の多い登山道の場合、どちらを上に装着しようが何かに引っ掛かるときは引っ掛かります(笑)。なので、最近は軽量化も含めて折り畳み式(Z式)のポールに変更するか思案中!折り畳み式ならザックの中にしまう事も当然ですが、外付けの場合でもザックの長さよりはみ出すことはないでしょう♪

ザックの置き方

ザックの置き方にも気を配る必要がありますね、公共交通機関の場合は!

電車の場合は混雑してくる可能性もあるので、網棚におけるのであればそこがベスト!そうでない場合は膝の上で抱っこして座る。大型のザックの場合は仕方がないので、足の間に挟んでなるべくスペースを取らないようにする。

まちがっても、背負ったままとか自分が座ってその隣にザックも置かないように!(2名分のスペースを使わない)

バスも同様ですね、基本は膝の上で抱っこです。

臭いに気を付ける

これ案外、忘れがちな部分ですが特に夏場の大量に汗をかいた登山後に公共交通機関に乗る場合は本当に注意ですよ!

臭いって自分ではわからないことのほうが大半で、他人の臭いには敏感になるものです、大量にかいた汗交じりの登山ウエアは臭いにきまってます!てか臭います(笑)。

背負い重量的に余裕がある場合は着替えの持参をお勧めします^^。プラス着替えと温泉等で汗や汚れを落としてから交通機関に乗るのがベターですね。

下山方向で一緒になる方の中で、究極に酸っぱい臭いの人とか、雑巾の香りをまとってるかぐわしい方と遭遇しませんか?(笑)。

山爺は最悪、虫よけのハッカスプレーでごまかします(笑)。基本はマイカーなので、お風呂に入らなくても迷惑はかけませんが、どうしても駐車場までの間にバスやロープウエイ等に乗る事はあるので、特に夏場は気を付けてます♪

最近では、消臭性の高いウエア(ウール系)も出ているみたいですが、山爺はウール系の素材はチクチク感がダメで一切着れないので、化繊のウエアしかありません。ですので、必ず着替えを持ってきているのが現状ですね^^。

まとめ

登山マナーやルールって、都会じゃ考えられない事が多いですが、山では当たり前なんですよね~!

最初はトイレのペーパーの扱いとか面食らうし、登山道上りでの「あいさつも」キツイ時は面倒くさくてしょうがなかったし、慣れるまでは不思議な感じでした。でも何回か登山をして行くうちに、色々マナーやルールが当たり前になり、汚い事や危険な事も山では普通になってしまい、どんどんワイルド化していきます(笑)

雨水の事を「天水」と言うのですが、水が貴重なエリアではこの雨水「天水」を買って飲みます(もちろん要煮沸してからです)。こんな事をしているって想像できないですよね、整備されたキャンプ場でキャンプされている方や、登山を知らない方からしたら摩訶不思議な事ですね!

ルールもマナーも都会とは違ったものとなります、もちろん命の危険に関わる部分もあります!必ず登山におけるマナーやルール、しきたり等も予備知識として持っておくと、登山時には必ず役に立ちます。

また違う機会に細かく登山時のルールやマナーとしきたりも併せてご紹介します。

ではでは。

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