雪山登山の初級者から中級へ移行していくとなるとやっぱり雪山山行でのテント泊が外せなくなってきますよね。
我が家も雪山に行くにつれてテント泊での山行も増えてきました。もちろん日帰りで行ける雪山をわざとのんびりとテント泊するために行く場合もありますが。
おおむね雪山山行時におけるテント泊の注意やこれが必要とかこれはいらないとかが分かってきました。
今回は雪山登山時のテント泊における注意点や便利グッズをご紹介したいと思います。
目次
雪山テント泊時の注意点
独断と偏見もありますが、雪山テント泊は無雪期に比べたら不自由なことは多いです。また衣食住においても万全の対策をしておかないと最悪は命に関わります!ただ実体験ベースなのであながち間違ってはいないと思いますので参考にしてくださいね♪
酸欠に注意しろ(一酸化炭素中毒)
所説や注意喚起もありますが、基本雪山テント泊時の食事等の煮炊きはテント内で行います。ゆえにテント内の酸素は欠乏しがちなりますし、適度な換気が必須になります。最悪は命に関わるので寒さよりも重大な事項ですよ!
≪対策≫
こまめな換気作業を行う(煮炊き時は換気口を全開にしインナーテントの口は開けておく)
レインフライ時は雪かきを怠るな
厳冬期はスノーフライを張ると思いますが、スノーフライであれば通気性は担保されますが、レインフライは防水の加工がされているのでテント下部の隙間(レインフライとインナーテント)以外には風の通り道はありません。
夜間降雪があった場合はこの隙間が無くなるので著しく通気が悪くなります。神経質かもしれませんが実際にGWの雷鳥沢キャンプ場では到着日は夜まで降雪があったので、数時間おきに除雪していました!
≪対策≫
できればスノーフライを用意する(降雪の無い残雪期はレインフライでOK)
テントの中は温かいと思うな
基本的なことですがテントの外よりは温かいですが、テントの中もそこそこ寒いです(笑)一晩でテント内に置いてあった物は朝までに「霜」「凍る」の現象が起きます。
≪対策≫
凍ってはいけないものはシュラフの中へ
火事に注意しろ
上記に繋がりますが、テント内の環境は燃えやすいものばかりですのでバーナーの使用時は火の周りには絶対にスペースを確保してから使用することが肝です。またバーナーの輻射熱やその温度でテント下の雪面が溶けていき、テントの底面がデコボコになっていくので、できれば遮熱の板等が必要。(バーナー等の安定性も増します)
≪対策≫
板を持参する(100均のまな板を使ってます)
底冷え対策は必須
高性能なシュラフを持っていれば仰向け時の前面は平気なのですが、どうしても背面部分(地面側)は寒さを感じます。これは無雪期でも同じことが言えますが、厳冬期はその比ではありません。安眠を得たいのであれば背面(地面側)の底冷え対策は必須になります。
≪対策≫
厳冬期用のスリーピングマットを用意する
ちなみに山爺の場合は以下の装備で大丈夫です(個人差有)
・100均の厚さ2mmの銀マット(テント内)
・サーマレストZライトソル
・サーマレストプロライトプラス
テントシューズ(像足)はあったほうが良い
意外にテントシューズは購入も二の次になりやすいですが、テントシューズ無しでシュラフに足を入れていても寒いです。ましてやシュラフから足を出して何かしている時は指先ジンジンでしびれますよ~(笑)もちろん就寝時にテントシューズを履いたまま寝れば足先の寒さは感じないと思います。
≪対策≫
高くなくてもいいのでテントシューズ(像足)を持参する
雪山テント泊では無雪期ではどうでもいいことが案外重要だったりするので、これから残雪期へ向けて雪山テント泊をしようと思っている方は気を付ける点がるので、事前に頭にいれておいてください。
雪山テント泊便利グッズ
雪山テント泊では無雪期には必要のないものが必要だったりします。周りは雪しか有りません、場合によっては「水場」「トイレ」はありません。ですので全て自前で準備しなければいけません。ワイルド感があって楽しいんですけどね^^。
簡易トイレ
厳冬期の場合は仮に山行時に山小屋があったとしても、トイレが使えない事も多々あります。最悪男性の場合はその辺で・・・も可能ですが、女性の場合はそういうわけにはいかない事のほうが多いですよね(恥ずかしいし)、なのでこの「簡易トイレ」は山行日数に合わせて持参することをお勧めします。
漏斗
厳冬期に普段は使える水場は凍結または水場そのものが無いことが当たりまえです。がしかし目の前に大量の水があるじゃないですか♪そう「雪」です、厳冬期はこの雪を溶かして飲料水として使います。
がしかしご存じの通り雪には「ゴミ」「ちり」等が混ざっていますので、クッカー等で雪を溶かした後に何かしらに水を貯めると思うのですが、その際にゴミ等の除去をします。その時に使うのが漏斗(+フィルター)です。
皆さん各々やり方があると思うのですが、山爺は以下のもので濾過しています。
・100均の漏斗
・100均のコーヒーろ紙(三角錐タイプ)
結構この「漏斗」が秀逸なのでお勧め♪
雪落としブラシ
雪山登山はギアを含めて雪が案外付着します、特にアイゼンと登山靴。そのまま雪が付着したままで一晩過ごす(放置)と朝一番には氷状態になっちゃいます。ですのでテント設営が終わり特に登山靴は雪を落としてテント内にしまいます。
アイゼン等の雪もこのブラシで雪を落としてから放置します。(100均とかので十分です)
そうそう登山靴はテントの前室に置いておく方もいるかと思いますが、朝キンキンに冷え切っていて履くのが嫌になるので、山爺はゴミ袋に入れてテント内に置いてあります。まだ幾分テント内のほうが温かいので(笑)
保温マグ
厳冬期においては定石のアイテムですね。行動中の飲料水・溶かした雪(お湯)の保存とありとあらゆる場面で使います。
ちなみにプラティパス等やペットボトルも簡単に凍りますので、すぐに使える水(お湯)として貯めておいたほうが良いですよ。
「山専ボトル」でなくても良いです、モンベルの保温ボトルでもいいですし、とにかく保温が出来るある程度の性能の保温ボトルを用意しておいてくださいね。ちなみに山爺は以下の保温ボトルです。お湯が冷たくなったとかのマイナス要素は今まで感じたことはありません。
ナルゲンボトル
上記の話からするとナルゲンボトルもそのままテント内に放置したら凍ります(笑)。では何に使うかというと「湯たんぽ」です♪
このナルゲンボトルが優秀でして、寝る前に沸かした熱々のお湯をナルゲンボトルに入れて、シュラフの足元に置くだけでアラ不思議、シュラフ全体が温かくなりますよん♪
朝にはぬるくなりますが湯たんぽとしての機能は朝まで持続します、また朝はそのナルゲンボトルに入っている凍っていない水で調理をすれば一石二鳥ですよ~(^^)。
分離型バーナー
分離型バーナーには好みが分かれるかもしれませんが、調理器具の安定性と調理のしやすさから言うと一体型とは比べ物にならいと思います。がしかし重量とコンパクト性には欠けるのがちょいとネックです。
山爺はもう登山歴が7年ほどになりますが、一体型のバーナーもあるのですが登山時は鍋料理が多いので、ほとんどの山行テント泊時は分離型のバーナーしか持っていっていません。
人によって便利グッズは他にもあると思いますが、今のところ山爺がお伝えできるのはこんなところでしょうか。まだ今シーズンの雪山テント泊は行く予定なので新しい便利グッズやこれ良かったという物があったらご紹介しますね。
まとめ
いかがでしたか?便利グッズがさておき、雪山テント泊で注意しなければならない事って重要です。もちろん最悪は生死に関わってきてしまうし、火災発生なんて目も当てられないですからね!
楽しい雪山テント泊が最悪の事態になっては元も子もないので、皆さん注意して雪山テント泊をしてください。
また疲れた体を復活させるには睡眠と食事が大事です。いかにストレスなく睡眠ができるかは持参した装備がものを言うのですが、ウエアリングの工夫で何とかなる場合もあります。過酷な環境(外気温-20℃)でテント内が-10℃とかを体験すると、色々と見えてくるものがあります、こればっかりは本当に実際に雪山テント泊をしてみないと分からない事も多いのですが・・・。
そんな苦労も実は雪山登山では一瞬にして忘れてしまう「絶景」やそんな環境だからこそ味わえることもあったりするので、最初はぜひ山小屋併設のテント場あたりから雪山テント泊を始めてみてはいかがですか?
もちろん装備が増えるので体力がないとキツイ山行になりますが(笑)。
ではでは。