ギア・その他

雪山登山装備の確認とアップデート

赤岳岩稜エリア4

2020年の紅葉登山はことごとく山行予定と天気と予定が合わずじまい、そろそろ雪山登山の装備点検もしなくちゃいけない時期にきました。

そのうちに軽量化というキーワードでザックを新調したので記事にしますが、雪山登山時のギア類も少々軽量化とアップデートを計画しているのと同時に、雪山登山時のギア類のメンテナンスと確認をしてみました。

これから雪山登山を始める方にとって参考になればと思います。

目次

雪山登山に必要なギア類

毎年の事ですが雪山登山においては無雪期(3シーズン)とは違った装備を必要とします。まぁ命に関わることですからこの雪山登山時のギア類は慎重に選ぶのと同時に、その雪山登山の難易度によってしっかり揃える必要があります。

下記に挙げたギアやウエア類も含めて最低限持っていないとたぶん本格的な雪山登山は出来ないと思っていたほうが良いくらいですので、ぜひ参考にしてみてください。

ハードシェル

無雪期(3シーズン)では、やや薄手でも問題なかったハードシェルも厳冬期においては、かなり厚手で防風・防寒の役目が高いものを選択する必要があります。一般的にはゴアテックスは当たり前ですが、生地感がかなり変わり「ザラザラ」していて「ゴワゴワ」感が出てきます。

生地に厚みがありザラザラしているのには理由があり、ツルツルの表面のハードシェルでは滑落時に滑りまくるので、滑落時のブレーキの役目をするとも言われています。(所説ありますが滑落したらどんなハードシェルでも滑ります)

登山を始めてから2着目となるハードシェルはこちら

ミレーハードシェル

冬用パンツ類

パンツは3シーズンの下に厚手のモモヒキを履くことで対応もできます。また3シーズンパンツの上にハードシェルパンツを履く方もいますね。

当初、山爺も3シーズンパンツの上にハードシェルパンツ(正確にはc-nitのパンツ)を合わせていましたが、厚手のソフトシェル的なパンツにモモヒキでも厳冬期に耐えうるので今はその形になっています。(ザックの中にはハードシェルパンツは携帯してます)

ソフトシェルパンツ

ハードシェルパンツ(C-nit)

グローブ類

雪山登山においては一番難しい、グローブの選択です。

基本は3レイヤーで対応しています。①ベース②中間③オーバーグローブが一般的で、気温と状況によってレイヤリングをして対応していきます。

天候が晴れで気温がそこまで低くない場合はベースのみ使用し、それでも寒い場合は中間としてのウール素材の厚手のグローブをします。さらに雪を触るようなシュチュエーションや風の強い時、MAX寒い時はオーバーグローブを装着してやり過ごします。

冬グローブ

ちなみに山爺のレイヤリングは以下の通り

①ベース:100均の薄手の毛のグローブ
②中間:ウール100%の厚手グローブ
③オーバーグローブ:5本指
④オーバーグローブ:3本指(今シーズンより導入)

重要な事は、雪山登山時は上記のセットをもう一つ予備として揃えてザックの中に携行しておいてください、仮にグローブ類の替えが無ければ濡れて使用できなくなった場合は、そく「凍傷」の危険度が高まります!

今シーズンから導入予定の3本指のオーバーグローブですが、なぜ3本指にしたかというと、実は5本指のオーバーグローブの脱着が非常に面倒になったからです。オーバーグローブをしている時点で寒さはそこそこの状況ですが、そんな中でもスマホいじったりとオーバーグローブを外す場面が出てきます。それからまたオーバーグローブをはめるのですが、いかんせんミドルとして使っているウールのグローブの5本の指をスッとオーバーグローブに入れられない時がありストレスを感じていました。

そこで3箇所の指入れだけですむ3本指にアップデート!他にもミトンタイプおありますが、ピッケルの操作性や人差し指が自由に使えたりしますので3本指に決定しました。

イスカオーバーグローブ(3本指)

厚手ベースレイヤー及び中間着

3シーズンは薄手の行動着で良かったかもしれませんが、雪山登山はインナー・ベース共にシビアに着る必要性があります。
3シーズン以上に汗をかくことにシビアさが求められます!仮に汗冷えなんか起こそうものなら、あっという間に低体温症の餌食になります!?

大事なのはその日の気温で行動中に暑くも無く寒くも無くが基本で、汗がかかないようなレイヤリングにすることです。

それから休憩時の保温も大切なので、ダウンやフリースは必須です。だからといって行動中(登り時)に厚着は無駄な汗をかく原因なので、注意しましょう!(よっぽどの防風と気温低下で稜線上の場合は運動量的には登りが無ければ汗はかかないので、寒ければ着てもOKだと思います)

厚手ベースレイヤー

ミレーあみあみ

雪山登山靴

寒さには個人差があるので何とも言えないところですが、アイゼンの種類によっても左右されますが、まぁまぁ寒がりな山爺は雪山登山時は冬靴1択です!

3シーズンの靴と違うのは断熱材が入っているかいないかの違いです。有名どころでプリマロフトという素材が靴の中に織り込まれています、またソールの裏側にもアルミ素材が蒸着されていたりと冷えに対する作りこみがされています。

乾いた雪ならすぐに靴から落ちますが、湿った雪だと行動中にずっと靴の甲とかに乗ったままなので、かなり寒いですし気温が低ければアッと言う間に足先がジンジンしてきます。

できれば冬靴の購入をお勧めします(がしかし冬靴は高い!!)

LOWAマウンテンエキスパート

アイゼン・ワカン

アイゼンは靴との相性もあり必ず持っている登山靴に合うかどうか確認してから購入してください。前にも後ろにもコバの無い3シーズン用の登山靴でもアイゼンは付けられます。

良くアイゼンの爪の数問題が出ますが、「10本爪」と「12本爪」です!山爺は「12本爪」の1択です!10本爪を買ってから多少難易度の上がった雪山を登る場合は必ず12本爪が必要な場面に遭遇します。多少の重量は増えますが汎用性でいけば12本爪を持っていれば、どんな場面でも使えます。

次にワカンですが、これもスノーシューとの比較でどっちを買えば良いのか分からないと思います。ワカンとスノーシューはそもそもの話ですが、使う場面が違うので何とも言えないところです。ですが今後雪山登山をしていく方には、ワカンの購入を先にしたほうが良いと思います。

グリベルアイゼン

ワカン

ワカンは深雪の中を歩くものですが、ワカン+アイゼンの組み合わせで使用することもありますし、多少本格的な雪山登山時にスノーシューを履いている方は見たことがありません。(稀にいますが、すんごい苦労してますよ)

広い雪原や高低差の無い場所での雪山ハイクであればスノーシューのほうが良い場合もあります。

結論から言うと山行予定している場所によって使い分けるが正解だと思います。

ピッケル

雪山登山においては三種の神器のピッケルですが、実は急斜面や滑落の恐れのある場所以外では使いません、というか使い分けが正解です。

緩斜面においてはポール(ストック)で歩き、岩場・急斜面・滑落等の恐れのある場所はピッケルを使う形になります。

ピッケルは長さ・形状・重量等が様々あります、1本目のピッケル購入は60cm前後の杖変わりに使える長さがオールマイティで良いと思います。急斜面や岩場等が多い場合はピッケルの取り回しの関係で短いほうが扱いやすく、またストレートタイプよりもカーブしている形状が使いやすいと思います。

グリベルピッケル

※急斜面でピックを雪面に刺して上り下りをする場合に、ストレートタイプだと雪面にこぶしが当たり、カーブタイプだと雪面に対してこぶしが当たらず取り回しがしやすい。

ゴーグル・バラクラバ・帽子等

夏山でサングラスは紫外線と目の保護に役立ちますが、雪山登山においてはさらに防御力を高めます。その筆頭がゴーグルです!
ゴーグルは暴風雪の際に役立ちます、季節柄雪山登山は風が強いことが多いです。強風によって舞った雪が容赦なく顔面にたたきつけてきますので、寒さ・目の保護・紫外線予防を含めて必須のアイテムです。

ゴーグル・サングラス

バラクラバ

テント冬張り

テント泊をしている方ならご存じかかもしれませんが、厳冬期はよほどのことが無い限り雨は降らないので、テントのフライは降雪用のスノーフライを装着します。スノーフライは単なる布切れだと思ってもらうと分かりやすいかもしれません。

雨の想定はしていないので、雨が降ったら存分に染み込みますしテント内に容易に雨漏りします(笑)ですが雪にはめっぽう強く保温性も高いです。少々レインフライよりは重くなりますし、気温が上がり雨の予報がある場合は非常に悩ましいアイテムいなります。

こんな感じねね。一切コーティングも無い布です。

スノーフライ

雪山登山ギアの軽量化計画

冬期の登山はとかくギア類が増えるので、無雪期に比べて一気に背負い重量が増えます!

登山口に至るまではもちろん、アイゼンの装着は上りの途中からとかワカンでないと歩けないとかシュチュエーションによってギアを使い分けるのと同時に、全て携行しなければならないので非常に重量が増えます。

ですので、今シーズンの雪山登山から軽量化計画を進めています。たった100gでもチリツモなのであなどるなかれですよ!

ザック

すでに実践投入済みですが、まずはザックの重量を減らすべく新しく新調したのが「EXPED Thunder70」です。

無雪期問わず使用していたのはグレゴリーのバルトロ85ですが、このザックは非常に気に入っているのですが、それでも重量は2.3kgほどあります。燕岳から投入したEXPED Thunder70は1.6kgなのです!!

そう700gの軽量化で、ほぼ腰への重量配分で肩への負担はゼロって言っても過言ではありません(燕岳合戦尾根で実証済み)
※近いうちにレビュー記事あげます

EXPED Thunder70

スコップ

厳冬期のテント泊で必要アイテムと言えばスコップも忘れてはいけません、ですがこのスコップが結構重い!!

昨シーズンまではモンベルのスノーショベルで790gとやや大きいサイズだったのですが、実際はそこまで大きくなくても良いという判断がついたので、スコップをスケールダウンにて新調しました。無メーカー(中国製)のものですが、モンベルよりサイズダウンして480gです♪(耐久性や頑丈性は未知数ですが)

スコップ



まとめ

ということで、雪山シーズンの始まりを待ちわびてますが、雪山登山のギアチェックとギアのアップデートをしてみました。一応現在のギアは買い足しや買い直しもなさそうなので、雪山にいくだけとなりました。しいて言えば新しいソフトシェルパンツが欲しいな~っていうくらいですね。

これから雪山登山を始める方に少しは参考になったでしょうか?最低限この記事に書いてるギアは必要になるので、チェックしてみてください。雪山は天候も変わりやすいし、登山道での歩行技術も無雪期とは違います。自分の命を守ってくれるものですから、無雪期以上の入山前のチェックは重要です。

入山する山によってもさらに必要なギアもあったりで、足し算と引き算をうまくしながら重量を考えて雪山山行を楽しんでください(^^)

ではでは

ぽちっと応援お願いいたします。

-ギア・その他

© 2024 Out Door Base