運が良いことにGWは10連休が確定していたので早々と立山駅から室堂までのケーブルカーとバスの予約を既にして臨んだ立山登山の山行記です。
数年ぶりの雷鳥沢テント泊ですが雪山(残雪)はどうなのか、来シーズン行かれる方の為に情報盛りだくさんでお伝えします。
かなりのトラブルや想定外のことも起きたので、是非参考にしてください。今回は反時計回りで別山・大汝山・雄山の順で縦走し、浄土山はスルーするコースをとる予定です。
ちなみに立山三山は宗教的に「浄土山(過去)「雄山(現在)」「別山(未来)」の意味で表され、立山の玄関口の室堂から浄土山・雄山・別山の順で登ることがが多いです。どこの山荘に泊まるかによっても、時計回りか反時計回りで登るか決めることができます。※雄山が極楽浄土の仏の山、剱岳が針山地獄の山、中心にある地獄谷が地獄、みくりが池は血の池とも称される。
(※単に立山という言い方や、立山三山という言い方があります。立山:雄山・大汝山・富士ノ折立と称される、立山三山:雄山・浄土山・別山と称される)
目次
立山三山(浄土山/雄山/大汝山/富士ノ折立/別山)データ
場所:富山県(立山連峰)
標高:浄土山・2831m/雄山・3003m/大汝山・3015m/富士ノ折立・2999m/別山・2880m
標高差:浄土山560m/雄山720m/大汝山745m/富士ノ折立730m/別山600m全てキャンプ場起点
行動距離:ルートにより様々
行動時間:健脚なら三山周回は6~7時間程で可能
山小屋:劔御前小屋/内蔵助小屋/室堂山荘/一ノ越山荘/雷鳥荘/みくりが池温泉/ロッジ立山連峰/雷鳥沢ヒュッテ/大汝休憩所
アクセス:下記参照
駐車場:下記参照
ルート
初日は、よっぽど健脚なことと体力がなければ、ほとんどの人は目的地の山荘か雷鳥沢キャンプ場を目指すだけになると思います。ちなみに我が家は今回は雪山テント泊装備なのでキャンプ場に行きテント設営で精一杯です(笑)。
各山荘(みくりが池温泉・雷鳥荘・雷鳥沢ヒュッテ・雷鳥沢キャンプ場)までは同じルートになります。このルートは夏道とほぼ同じで、ポールとロープがあるので、それを頼りに歩きます。※雷鳥沢キャンプ場へはもう一つルートがあり雪上車が通った雄山へのルートから少々戻り気味に雷鳥沢キャンプ場に行く事も可能。
ちなみに当日は視界15mで強風で雪が降っていて、ホワイトアウト寸前でした。あとトレースがハッキリしていないので、踏み抜きに3回ほど苦戦・・・なんせ総重量24kgのザックです(笑)
軌跡を見たい方は右下のリンクからヤマレコへ
山行記録
さあ、まずは立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継いで室堂へ向かいます。この日は始発(6時台)から運休!8時の往復切符を予約済みなので、一抹の不安を抱えながらも、身支度をして立山駅のロビーで待機します。
待機しつつビーコンのレンタル手続きをします。現在、立山入山に際してはビーコンの携帯が義務付けになっています(正直、室堂でのビーコン携帯チェックはありませんが自己責任で)
TABO(ビーコンレンタル)
https://www.tateyama3015.net/
しっかし、立山駅のロビーは中国人や東南アジア系の観光客でごった返しです(笑)。どでかいザックを背をった登山者は、みな一様に奇異な目でみられます(笑)。お土産屋のおばちゃん曰く1年で一番混むのがGWだそうな(>_<)。
無事に7時ちょっと前から運航開始となりました。ちなみに富山駅から室堂に入る場合は、ケーブルカーと高原バスの状況を確認したほうがいいです。この日は前日夜半からの雪で除雪作業が必要になり、最悪終日運休になっていてもおかしくなかった為、あえて地獄の扇沢経由での室堂入りに変更した人も多かったです。
立山駅前は雨でしたが、ケーブルカーの半分も乗っていると既に雪となってきました(ケーブルカーの乗車時間は7分)。続いて高原バスに乗り換えです。このバスは乗れなかったらすぐに臨時便が出るので、さほど待つことはないですよ♪
雪が降り時折雨の状況なので高原バスからの『雪の大谷』はご覧の通り!チーン…
さあ室堂に到着です!ここでみなさんご存知の「立山焼き印のかまぼこそば」を食べてキャンプ場まで出発です。
室堂は立山駅の数倍の混雑です、異国の言葉が飛び交ってます。ほとんどは「雪の大谷」に行く方なので、登山者はそのまま屋上にでます。屋上に出たら身支度しておきましょう、この日は前述のとおり「雪と風」のちょい吹雪気味、景色は見えないので修行モードです(笑)。
ソロの方や立山初見の人は、上記のような悪条件の場合なるべく集団についていきながらポールずたいに進むことをお勧めします。この日もほとんど先は見えない状況なので、ポールとロープ以外に目印はありません、しかも15mも他の登山者と離れたら、ほぼ何も見えません!
ルート的にまずは、みくりが池温泉を目指します!本来なら室堂の屋上から数分もすれば、みくりが池温泉の建物が見えるのですが一切見えず。何とかポールとロープを頼りに進みます。
道標が時たま出てくるので、今度は雷鳥荘を目指します!本来なら雷鳥荘もすぐに見えるのですが、まったくもって見えません(笑)。ましてやここから先は雷鳥沢ヒュッテを目指すのですが、ルート事態が雪で全然見えません。
ここで、嫁の驚愕の発言と毒づきが始まります(どうもプチホワイトアウトが怖いらしい)。
確かに嫁の言い分も分からいではない(笑)。なぜなら室堂の喫煙所で話した登山者も、雷鳥荘で泊まって翌日仕切り直しするって言ってたからなぁ~!
踏み抜きで四苦八苦しながら、なんとか雷鳥沢ヒュッテに到着。ようやくうっすらと眼下にキャンプ場が見えました、そこで嫁が一言!
さっきまで、怒り気味で歩いていたのに何なのって感じですが・・・。
時間にして室堂からは1時間半~2時間もあれば到着します。ですが、この天気の中テント設営をしなければなりません!無雪期ならテントを設営するだけですが、積雪期はまず整地から始めます。ここからは土木作業が始まります(笑)。
せっせせっせと雪の降る中小一時間で手抜きの整地ですが、腰が限界に達したのでテントを設営しちゃいます!(整地の微調整は雪が止んでからか明日へ持越し)
ようやく荷物をテント内に入れ、くつろげる状態になったら風と雪で軽~い吹雪(時折強風)!!この吹雪はお昼前から夜の19時頃まで吹き荒れていました。その間雪かきすること数回。そうなんです、雪山テント泊の時は積もった雪で酸欠になることを注意しなければなりません。この日は1回の雪かきでフライシートとテント本体の隙間には確実に雪で埋まる状態。外張り(雪用フライシート)はこの時期は雨にもなる可能性があるので、しない方が大多数です。外張りなら通気性は全開なので、少々の雪での積雪は気にすることもないのですが。。。
ごくわずか外張りの方も見かけましたが、この判断がどうでるかはこの時点では知る由も無しですよね!(外張りは、雨をはじくコーティングは一切ない布です、雪を防ぐだけなので当然雨はテント本体にダダ漏れです)
この日は、山爺は体調が思わしくなく既にダウン気味!夜ご飯をテント内で食べたら即就寝(笑)。
嫁いわく、風雪が止んだ後は星がヤバくて写真三昧だったそうです!その後体が冷え切って眠れなくなり、2日目からはシュラフにありったけの衣類を詰め込んで対策をしたらしい(笑)。
明日の晴れを期待して嫁も就寝!
ではでは(2日目に続きます)
注意
雷鳥沢キャンプ場や山小屋までは、晴れなら何てことのない整備された遊歩道ですが天候が急変した場合や、悪天候時は注意をしてください。どんな季節でも同じですが無理は禁物です!この日はかろうじて雷鳥沢キャンプ場までは視界15m~20m位はあったので、トレースとポールとロープを目印にたどり着きました(風で一瞬にしてトレースは消えます)。また踏み抜きも多く、にっちもさっちもいかなくなるくらいの深さ(腰くらい)がありますので、単独の時は本当に気を付けないと誰も引き抜いてくれません。
実際この日に既に遭難されて翌日の早朝に室堂乗越でお亡くなりになった方が救助されました。この同じ日に入山し雷鳥沢キャンプ場を通過し2時間程登ったところで道迷いにあったそうです。ちなみにその遭難した場所は劔御前小屋まであと200m~300mくらいの場所です。ほとんどホワイトアウト状態だったと思われ、さすがに入山した時点で、雷鳥荘へ急遽小屋泊に変更された方も多く見うけられた状態でした。(ご冥福をお祈りいたします)
アクセス
立山は非常に良い山域ですが、いかんせん関東圏の人間からすると遠いです。一般的には車の場合、長野県側扇沢から室堂へ入るパターンと富山側立山駅からのパターンの2通りです。俗にいう立山黒部アルペンルートの事です、時期にもよりますが黒部ダムや雪の大谷を見るのにそれぞれ富山側と長野側のチョイスができます。どちらから入っても立山駅~扇沢駅間は行き来ができます。
今回は、室堂からの地獄の行列と混雑でトローリーバス(今期から電気バス)・ケーブルカー・ロープウエイ・徒歩と非常に道程が長いので今回はパスして、富山側のケーブルカーと高原バスの1回乗継の行程をとりました。チケットは事前に往復予約をしているので、搭乗する30分くらい前にチケットを交換すればOK。
ですがこれで安心してはいけません。扇沢側からにせよ富山駅側からにせよ、天候次第ではロープウエイや高原バス等が欠航になる可能性があるので、必ず当日にHPをチェックしてください。(ちなみにこの日は富山側立山駅からは6時台の数便が欠航となり、泣く泣く室堂へ向かった方や、行程自体をキャンセルしたり翌日に延期した方もいました)
扇沢駅~室堂
長野道:安曇野IC~一般道にて扇沢駅
※関東圏からは車移動での時間は少ないですが、室堂までは乗り物の乗継が多く個人的には嫌になります。
参考サイト
https://www.alpen-route.com/access_new/access/private_car.html
立山駅~室堂
長野道:松本IC~一般道にて(上高地経由)立山駅
北陸道:立山IC~一般道にて立山駅
※ナビによっては北陸道経由の場合もあるかもしれませんが、我が家は松本ICより一般道にて上高地・飛騨高山を経由して立山駅に入りました。時間は掛かりますがケーブルカーとバスのみなので、室堂入りは非常に楽です。
参考サイト
https://www.alpen-route.com/access_new/access/private_car.html
E~SORA「立山パノラマバス」:立山駅~室堂
このバスは立山駅から室堂まで直行するバスです。今回は予約しませんでしたが、次回は乗ってみたい。なんせ天井側までガラス張りになったバスなので雪の大谷を見るには最高でしょう♪
このバスは完全予約なのであしからず!
https://tateyama-kurobe.alpen-route.com/panorama/jp/
立山室堂へのアクセス図(扇沢・立山)
https://www.alpen-route.com/about/
チケット等について
悪い事は言いません、事前にネット予約をしてください。扇沢にせよ立山にせよ、特にGW・お盆等はめちゃめちゃ混みます。一般の観光客プラス登山者やBCの方々が入り乱れます(外国の方で7割は占めてそうだった)。基本どの駅も乗り場も長蛇の列なので覚悟の上お願いします(笑)。
座席確保の予約ではないので必ず座れるという保証はありませんが、少なくともその予約した時間のバスやケーブルカーには乗れます。あまりにも搭乗客が多い場合は臨時便が直ぐ後に出たり、バスも2台同時にきたりするので大丈夫ですが、いかんせん並びます。
往復チケットの有効期間は5日間ですので、4泊5日以上の場合は注意してくださいね。
駐車場
マイカーでの登山は何と言っても駐車場問題は大きいですよ。みな寝ずのドライブで駐車場確保が第一のハードル!過去の扇沢の駐車場と立山駅の駐車場の情報をお送りいたします。
扇沢駐車場
扇沢駐車場は、駅に隣接した舗装されたきれいな有料駐車場が4つあります。駅から近い順に第1~第4まであり、微妙に値段が違います。ブルジョアな方は有料駐車場のほうが乗り場に近くて便利です。
そうでない山爺も含めた一般庶民は扇沢駅から少し山を下った無料で砂利の「大町市市営駐車場」に止める事になります。もちろん無料の駐車場なので、こちらの市営駐車場から埋まっていきます。数年前の秋に訪れた時は金曜の夜に都内を出発をして、市営駐車場に着いたのは夜中の1時頃で空いていたのは数台で、ぎりぎりセーフでした。有料駐車場はまだまだ空きが十分ありました。
この市営駐車場がダメな場合は、有料駐車場に入れるか市営駐車場よりもさらに下った場所や(確か脇道に止めていた方も・・・)、HP上には8km手前の駐車場からシャトルバスで送迎とありますが、どうなんでしょう?
いずれにせよ、早くの到着が有料か無料かの分かれ道です!
参照地図
https://www.alpen-route.com/access_new/access/parking.html
立山駐車場
立山駅の周り一帯が無料駐車場になっているので、空いているところを見つけて停めていくのがセオリーですね。しいて言うなら車中泊の場合トイレ問題があるので、トイレに近い順で立山駅に近い順で探していくといいですよ。我が家の場合は以下の通りでした。
①P280台(トイレ前)
②P100台(バス専用駐車場前)
③P110台(線路を超えたところ)
上記の優先順位で探していましたが、金曜の夜に都内を出発で立山駅到着深夜1時でしたが目的の①へ止めることができました。ちなみに①の駐車場は道路と同じ面にある部分とその後ろへ下ったもう1段下への面があるので台数も多いです(暗がりで見ると1段下の駐車場は見えないので知っておくといいかも)、よほど遅い到着でなければ多分①に停められると思います。
参照地図
https://www.alpen-route.com/access_new/access/parking.html