今シーズンの冬期登山のキーワードは雪山テント泊と決めているのですが、天候と休日の兼ね合いや兼ねてからの雪不足でイマイチ計画通りにはいってません。
この天皇誕生日の3連休も今一つ天候が安定していませんが、通常なら土日で山行計画するところ、ヤマテンの予報を信じ日月の23日・24日で行者小屋でのテント泊で赤岳ピークハントに行ってきました。
赤岳自体は約5年ぶりとなり、難しい山ではありませんが厳冬期の赤岳は初見なのでアクセスも含めて些か不安な要素もありますが、ヤマテンの予報通りにいき結果的には見事な景色を堪能できました。
今回はこれから赤岳の厳冬期登山を計画している初心者へのアドバイスと、一番問題になる赤岳へのアクセス(マイカー)を記録しておきますので参考にしてください。
目次
赤岳データ
場所:長野県 山梨県(八ヶ岳連峰)
標高:2.899m
標高差:約1.250m
行動距離:往復10.5Km
行動時間:6時間(赤岳山荘より赤岳山頂:休憩除く)
アクセス:茅野市よりバスで美濃戸口・マイカーで美濃戸口(八ヶ岳山荘)または美濃戸(赤岳山荘)いずれも美濃戸林道を経由し行者小屋又は赤岳鉱泉を経て赤岳山頂
山小屋:八ヶ岳山荘・赤岳山荘・行者小屋・赤岳鉱泉・赤岳天望荘・赤岳頂上山荘
駐車場:長いので記事下部で詳細確認してください
バス:アルピコ交通:美濃戸口線
赤岳冬期登山ルート
5年ぶりとなった厳冬期赤岳登山ですが、その5年前は無雪期ですので積雪期では初めてとなります。下調べ段階では冬期登山道もほぼ夏道と変わらないようなので、今回は行者小屋にてテント泊ですので南沢ルートを選択しました。
赤岳鉱泉の場合は北沢ルートになりますね、赤岳鉱泉のステーキ目当てでしたら北沢ルートがお勧めですね♪
北沢ルートの詳細は通ったことが無いので割愛!
美濃戸口~北・南沢ルート
このルートはまず、赤岳山荘・やまのこ村まで徒歩で1時間ほど歩きます。経験はないのですが皆さんダルそうに歩いていました(笑)
ですので行者小屋・赤岳鉱泉までの約3時間を含めると4時間ほどの工程になります。
バスや美濃戸口駐車ですと必ず通る林道となります。
赤岳山荘まで来ると、行者小屋・赤岳鉱泉のどちらに行くかで北沢か南沢を選択します。
最短ルートは
・赤岳鉱泉→北沢
・行者小屋→南沢
ちなみにどちらから行っても行者小屋と赤岳鉱泉はものの30分ほどの距離しか離れていませんので、お好みで進んでください。
南沢ルート~行者小屋
無事に美濃戸(赤岳山荘)等にマイカー駐車が出来た場合は、ここからスタートになります。行者小屋直の場合はこの南沢ルートを進みます。基本的には沢沿いを行者小屋まで進むのですが、2か所ほど高巻きをするやや急登が出てきますが、そのほかは概ねのんびりゆっくりと標高を上げる樹林帯コースです。
(5年ぶりで夏道が変わっている?渡渉の橋がいくつも増設されていました)
北沢ルート~赤岳鉱泉
こちら美濃戸(赤岳山荘)からの出発で、主に赤岳鉱泉直のルートとなります。申し訳ありませんがこのルートは一度も通ったことがないので割愛します。
地蔵尾根~赤岳山頂
一般的には赤岳山頂を目指す場合の一つのメジャールートがこの「地蔵尾根」を上がり稜線上のお地蔵さん(地蔵ノ頭)を経由し赤岳展望荘・赤岳頂上山荘を超えて赤岳山頂に到着するコースです。
(本来であれば地蔵尾根の雪のナイフリッジがあります、また強風の中の稜線歩きもあるルートになります)
状況次第で選択をするコースになるので、慎重に選択されてください。(雪山登山の技量によります)
文三郎尾根~赤岳山頂
ごくごくメジャーな距離も短いルート、いわゆるマムート階段を上るコースです。比較的、初心者でも安全に登ることができるコースだと思います。
ただし、今期は積雪が少ないのでトレースははっきりしているものの足一足分しかないトラバース的な場所が数か所ありましたので、アイゼンワークは必須となります。また積雪が少ない分、岩場やアイス状の場所も多くアイゼンを付けている状態で岩場(ドライ)を抜けるテクニックも必要です。(アイゼンを付けた状態で三点支持(確保)が出来ること)またピッケルも多様するのでピッケル操作も必須です。
山行記
色々と詳細が多い記事となりましたが、厳冬期赤岳のアプローチ編(行者小屋)までの記録になります。
まずは山爺は土曜の深夜に赤岳山荘に到着しました。正直5年ぶりの美濃戸林道ましてや厳冬期ですので、事前に降雪が無いと分かっていても日陰部分は絶対にアイスバーンだということも分かっていましたので、緊張MAX200%で通行しました。
人がいない事を確認して上りは一気に駆け上がり、下りはブレーキ多用のデッドスローでクリア!喉カラカラ・手汗びっちょりで赤岳山荘に到着!
夜中中雨混じりのみぞれ交じりで眠れず(笑)。しかも朝起きて全てが凍っていた、ドアノブ・飲みかけのペットボトル・食べ残しのオニギリ(笑)。
23日(日)の朝、赤岳山荘を出発しますが、今日は午後は多少晴れ間がでるかといった天気予報です!山頂は爆風との予報になっているのでゆっくり行者小屋に到着しテント設営後にのんびりする予定です。
まず赤岳山荘を出発して八ヶ岳山荘を通過します。
そうそうこの辺りの登山道はカリカリのアイスバーンなので「チェーンアイゼン」がお勧め!
ここが分岐、行者小屋に向かう山爺たちは南沢に進路を進めます。そうそう今日のザック重量は23kgで、でも不思議と先々週の北横岳(双子池雪山テント泊)より軽く感じます??
5年ぶりの記憶を呼び起こしながら進みますが、「こんなに橋あったっけ?」というくらい沢を右左の移動をします。
それから「こんな高巻き、あった?」という個所が2か所も…もしかして去年の台風以降に夏道って変わりましたか?
いたって危険個所は無し♪
しばらく樹林帯を通過していきます。
気温はマイナス5℃~10℃を行ったり来たり、嫁の髪の毛も凍っています(笑)。
さらに進みます。
夏道なら石の河原だった所から樹林帯へ。
ここから行者小屋へ入るピンクテープを目印に進めば「行者小屋」はすぐそこです♪
行者小屋に到着!この時点(お昼前)では曇りでしたが、アイキャッチ画像の通りに時折晴れ間が出て、う~んとうなってしまう景色がやってきます。
この後はのんびりと過ごして、夕飯を食べたら早めの就寝!明日は「赤岳」ピークハントで4時起きです(笑)。
初日はこんな感じの予定の登山者がたくさんいるので、どんどんテント場がいっぱいになってきます!夏場ほどではないので無数にテントを張れる場所はありますが、風対策のため樹林帯の際とかが最初に埋まっていきますね。
テント場中央だと、吹きさっらしになるので防風の雪壁作りはしておいたほうが無難かもです。
行者小屋の水場は、なんと今期は凍らずに元気に出ているので雪を溶かす必要もなく余裕で補給できます。
トイレは行者小屋に隣接している2か所が使えます、いくつもある簡易トイレ系は冬期利用不可なのでご注意を!
では、赤岳のピークハント(DAY2)に続きます!
駐車場
赤岳へ向かうには、バスや交通機関を利用する場合には美濃戸口一択になるのですが、マイカーの場合は悩ましい2択になります。チャレンジ精神で美濃戸林道を通り「赤岳山荘」まで行くパターンと、安全に1時間の林道歩きを覚悟して「八ヶ岳山荘」の美濃戸口で駐車するかになります。
どちらも一長一短はありますが、こればっかりはご自身の運転技術と車の装備・能力次第なので、よーく検討したうえでご判断くださいね。
無雪期でも積雪期でも「赤岳」へ行くには、あの悪路の「美濃戸林道」を通らなくてはなりません!無雪期でもあのデコボコの林道を赤岳山荘まで入って駐車するか、美濃戸口の八ヶ岳山荘に駐車をして1時間かけて歩くかは「貴方次第」!
そんな悪路をさらに積雪期は4WD+チェーン+スタッドレスが林道を通るための最低条件になります。ちなみに美濃戸の山荘(赤岳山荘・やまのこ村・八ヶ岳山荘)の方々は「車高が高い車+4WD+スタッドレス+4輪チェーン」になります。
結論から言うと本来であれば4WD+チェーン+スタッドレスの最低スペックでもかなり危険です!今回は8割ほど林道は融雪していて無雪期のデコボコ道でしたが、2割りほどは積雪というより完全なアイスバーンで4WD以外はほぼ無理です、幸運にもノーチェーンで通れましたが(タイヤ溝だけは行は雨で溶けていた、帰りは気温が高かったの)、アイスバーンの上りは一気に加速して上ったので途中で止まったりしたらたぶんOUTです!?自信のない方は安パイで美濃戸口から徒歩で向かったほうが賢明です!
美濃戸口(八ヶ岳山荘)駐車場
言わずと知れた八ヶ岳(赤岳・阿弥陀岳)の玄関口です。茅野市よりバスもあるのでバス停もあるところです。
さて上記の通り、この美濃戸口に車を止めるか美濃戸林道を通って赤岳山荘まで行くかはご自身の車と雪道の経験の有無によって判断してください。無雪期でも車高の低い車はしんどいですからね!
駐車場台数:150台前後
駐車料金:1日/500円
仮眠室:2.000円(24時間開放)
前夜からの車中泊で駐車料金が払えない場合は下山時に窓に駐車料金の案内が貼ってあるので帰りに払えばOKです。
駐車場は大きく八ヶ岳山荘横から上段・中段・下段という具合に大きくあり、よっぽどの繁忙期以外は駐車できると思います。
赤岳山荘駐車場
だるい1時間の美濃戸林道を歩かなくても済むのが、この赤岳山荘の駐車場です。(やまのこ村の敷地にも駐車していたが、赤岳山荘で受付なのかな?この時期はやまのこ村は小屋仕舞いしているので?)
ただし、無雪期同様に非常に厳しい美濃戸林道を通ります。まず車高の低い車は100%車体の底を打ちます!!轍の通過テクニックは必須、さらに厳冬期は積雪の急坂を登れるだけのパワーとスタッドレスが必須です、片輪だけのチェーンだけでは登れないかもしれない個所があります。
この美濃戸林道を通るときは必ず事前情報を入手してください!
今回は融雪している部分が8割でしたのでノーチェーンで行きましたが、それでも2か所ほどヤバイ場所があったので激注意です!
それから美濃戸林道序盤の橋へ下る急坂(帰りは上り)ですが、轍以外は完全なアイスバーンが10cmくらい盛り上がっていて、このアイスバーンをノーチェーンで跨ぐことはほぼ不可能です。ですので、人がいない事を確認して一気に上るしかないです、止まったら最後だと思います。あとは赤岳山荘への上りもアイスバーンです、赤岳山荘へ200mくらい手前も急坂&カーブのヘアピンになりますので上り下り両方注意してください。
(ちなみにチェーンを付けたFFが山爺の前で下りのヘアピンでめちゃめちゃ滑ってました)
駐車場台数:80台前後
駐車料金:1日/1.000円
トイレ:赤岳山荘の向かいに有
今回の車中泊の場合ですが明け方の5時ごろで山荘上部の駐車場はいっぱいという感じでしたが、林道周り・やまのこ村のスペース等にも駐車していました。すべて受付は赤岳山荘になります。八ヶ岳山荘同様に駐車料金の払えない時間に出発の場合は下山時に赤岳山荘まで支払いにいきましょう。
まとめ
まずマイカーでの赤岳まへのアプローチについては、安全マージンを考えると美濃戸口(八ヶ岳山荘)駐車場が良いと思います。なんだかんだ山爺はチャレンジして美濃戸林道を行っちゃいましたが、たぶん2日間の山行の中でこの林道が一番怖かったです(笑)。
厳冬期赤岳登山について初心者へのアドバイスとしては、赤岳は割と初心者の雪山登山の登竜門的に書かれている方もいますが、正直なことを申し上げると条件付になると山爺は思っています。
今回の厳冬期赤岳登頂時は「晴天」「風は少々」「トレースははっきりしている」の3条件がそろっていました。ですがそんな好条件にも関わらず、「雪のない岩場」「アイスバーン」「足一足分のトラバース」等ちょいちょい初心者には難しいと思える部分がありました。現に明らかに初心者の方はビビりまくっていて、かなり後続の渋滞を誘発していました。
初心者が行ってはいけない山ではありませんが、経験者の同行や他の山で技術アップしてから登ったほうが安全だと思われます。
ちなみにこの前日(土日)で入山し、日曜の朝に赤岳山頂を目指した方は、中岳の分岐で強風(風速30m位)でほとんどの方が撤退されたそうです、さらにホワイトアウトチックだったそうです(テント場でお話をした方談)
結論的には、ちょっとでも怖いと思ったら撤退する気持ちでいることと、なかなか難しいかもしれませんが経験者の同行と確実な好条件(無風・快晴・積雪量有)の時に登ることが得策かと思います。
これから赤岳へ向かわれる方は、くれぐれもご注意ください。
ではでは