3年ぶりに武尊山の雪山登山に行ってきました。冬期にも関わらず相変わらずの雪の少なさには驚きました(事前にWEB調査はしていたものの)。
雪が少ないことで「良いことも」「悪いこと」もありましたが、3連休中唯一晴れそうな中日の土曜日に前日入りの車中泊で決行。
この週は各地で遭難事故等が起きていて、特に強風による天候悪化が顕著であったため北関東上州エリアも同じような予報ではあったので、心して山行決行となりました。
最近かなり人気の出てきた「武尊山」ですが、初心者目線での危険個所等も書きますので参考にしてください。
目次
武尊山データ
場所:群馬県利根郡みなかみ町、川場村、片品村の境
標高:2.158m
山小屋:無し(ピストンルート上)
アクセス:関越沼田ICより川場スキー場(冬期メジャー)
駐車場:川場スキー場駐車場(24時間:無料・トイレ・更衣室有)
※沼田ICより263号線を経て川場スキー場へ向かうのですが、山の中に入ってからの道路は通常かなりの積雪があり勾配もきつく最低4WD+スタッドレスでないとかなりキツイ。4WD+スタッドレスでも止まったら最後、発進もままならいくらいの勾配個所があるので注意が必要です。(事前に道路状況を確認してください)
雪道の運転に自信のない方は川場スキー場へのシャトルバスが麓から出ているので利用すると安心です。
川場スキー場(アクセスについて)
https://www.kawaba.co.jp/snow/access/car/
武尊山コース概要
無雪期は幾つかのコース設定がありますが、冬期においては「川場スキー場」より入山するのが一番手っ取り早く簡単です。
川場スキー場ゲレンデトップより武尊山ピストン
ほとんどの方がこの川場スキー場のゲレンデトップ登山口から入山することが多いです。また初心者の方もこのコースが一般的で他の登山者も多いので安心だと思います。
登山口へ行くまでは入山届に始まり、多少厳しい手順を踏みますのでその順序を明記します。(過去に厳冬期で遭難死亡事故が発生し厳しくなりました)
①「登山届け」提出
川場スキー場独自の登山届用紙のみが受け付けられます。チケット売り場に用紙があります。
②「ココヘリ」携帯の義務(用紙の記入提出)
加入済みの方は現物持参でIDを記入の上現物と上記登山届けを一緒に提出。ココヘリが無い方はレンタル申込と同時に用紙提出。
③「登山用リフト券」購入
川場スキー場のリフト券はICカードですのでデポジット代を含んだ往復のリフト券を購入します。「登山往復」と言えばOKです。
・往復リフト往復料金:2.000
・ココヘリレンタル料金:1.100
・ICカードデポジット料金:500(下山後返金されます)
④「桜川エクスプレス」でゲレンデ中腹へ
まずチケット売り場からゲレンデに出て「桜川エクスプレス」で中腹まで上がります。
⑤「クリスタルエクスプレス」でゲレンデトップへ
桜川エクスプレスを降りたら、やや斜面を下り「クリスタルエクスプレス」でゲレンデトップへ向かいます。
これでようやく登山口へ到着です。
登山口~剣ヶ峰~武尊山山頂
リフトを乗り継いで登山口に着いたら、一般的には「剣ヶ峰」を経由して「武尊山」山頂を目指すのが普通です。概ね往復5km弱くらいですが、それなりのアップダウンと細尾根を通過する場所や、剣ヶ峰の下りが初心者にとっては難しく感じるところかと思います。
ヤマレコで確認できます。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2274132.html
山行記
予想はしていましたが、川場スキー場まで道路は一切積雪がなく何の問題もなく通過しガラガラの駐車場に車中泊です。11時過ぎに到着しましたが一番奥の5F駐車場に入れて他の車は全部で10台は無かったと思います。
ご存じの通りオシャレスキー場で鳴り物入りでバブル後にOPENしたスキー場ですので、トイレはウォシュレットですし、洗面台もお湯がでます♪更衣室も駐車場にあるので車中泊も困ることはないでしょう、しかも駐車料金は無料ですよ~♪
この日のリフト運航開始は8:00だったので、6時起床で7時過ぎにはチケット売り場のある7Fへ向かいます。ただし、上記の手順通り「川場スキー場」での登山は手続きが厳しいです。手順を知っていないと右往左往するので頭に入れておいてくださいね、そうそう車のナンバーも記入する欄があるので、特にレンタカーで行かれる方はメモっておいてほうがいいです。
というわけでリフトを2本乗り継いで身支度をしたら、目の前にある斜面を登って登山開始です。
ここで装備の話になりますが、通常であればアイゼン・ポール(ストック)で可能な雪山登山ですが、斜面がアイスになっている箇所や剣ヶ峰の下りを考えるとピッケルのほうが分が良い場合もあるので、何とも言えない判断になります。
今回、山爺はポール(ストック)で進むことにしました・・・。
まずは、ちょっとした樹林帯を抜けすぐに開けた雪原から右に雪庇を見ながら目の前の斜面を登り一段高いエリアへ登ります。
ところがほぼ第一陣で進んできたのですが目の前にいる数名がピッケルでダガーポジションで登っているではありませんか!?
そうです、いきなりのアイスバーン状態の斜面のようです、急遽山爺もピッケルにチェンジし対応しました。ポール(ストック)で進むと決めた方はやや難儀していましたね。
距離的には数メートルなので慣れていればポール(ストック)でも大丈夫ですが、そういう雪質を経験されていない方には非常に危険に映ると思いますし、アイゼンワークが出来ないと登れないと思います。現に怖くて登れない方も・・・。
このアイスの斜面を上がるとつづら折りに狭いトレースを上がります、すると開けたエリアに出ます。
すると、目の前に出てくる盛り上がった細い尾根、これが剣ヶ峰です、知らないで通過しちゃう方も結構います。
初心者にとって経験したことのない高度感のある細尾根を通過します。この日は風はありましたが強風・爆風ではないので安心して通過できる状況でした。3年前はまぁまぁな強風で嫁が風で体がよろけていたのを思い出しました。ですので細尾根の通過は細心の注意は払ってください!
安心したのも束の間、直ぐにこの細尾根(剣ヶ峰)の下りに入ります。雪があまり付いていないので岩場と雪のミックスになります。がステップがそれなりありますので、一歩づつ確実に下りれば問題はありません。(下ってからの写真)
剣ヶ峰を降りれば、一応安全なエリアですのでここからは景色を眺めつつ進めますよ(^^)
ここから安全ではありますが武尊山山頂までは、いくつかのアップダウンを繰り返します。
ひとつ注意としては「雪庇」です!(写真が無くてすみません)
トレースがあるので雪庇の際まで行くことはないと思いますが、時期的にはもういつ雪崩や雪庇が崩れてもおかしくないので、トレースから外れて雪庇へ近づかないほうがいいですよ♪
この日も気温が10℃以上になるタイミングもあったので、非常に雪が緩んでいます!!
えっちらおっちら進んでいくと「武尊山山頂」がもう目の前に見えます。
山頂までは軽く巻いた感じで進んでいきますが、特段危険な所はないですので最後のひと踏ん張りで頑張りましょう♪
はい山頂到着♪
時間に余裕のある場合は、稜線づたいに見えているお隣の「中ノ岳」までピストンしてくるのも良いと思いますよ、山爺は山頂直下の広いエリアでコーヒータイムとしました♪
この山頂直下の広いエリアは、案外風が強い日でも風の影響が少ないのでゆっくりご飯も食べれますよ(^^)
日も高くなってきて風もそこまで無く、非常に気持ちの良い雪山山行です♪ぞくぞくと登山者が来ます。
さあ下山です!
下山で注意することは登りの時よりも確実に雪の状態が変わっています!気温が高いので腐った雪の部分も多く、アイゼンが効きづらい場所も出てくるので特に下り斜面では注意です!
基本的には登りで注意する個所と同じですが、雪質をよく見極めて適切な歩き方(アイゼンワーク)をすれば大丈夫です。
登りでアイスになっていたところはアイスが解けてステップが出来ていましたので初心者でも難なく下れるようになっていました。
3年前の同じ時期は至る所にクラックがありましたが、今年は雪の少なさの関係か天候の関係かわかりませんが、そういった危険箇所は見当たりませんでした。
あっという間にリフト乗り場まで下山完了です。
この後リフトに乗りますが、下山時はICカードはそのリフトを乗り終わった時点で係の人に渡してチェックしてもらいます。
最後にチケット売り場まで下山したら、下山報告の意味合いとなる形でICカードを返却して500円が戻ってきたら終了です。
いつまでも雪が持つか分かりませんが、機会があれば是非足を運ばれてみてください♪
あ~お腹空いた!狙いを定めてアソコへGO!
おおぎやラーメン
割と日帰りの雪山登山は行動食のみで済ませてしまうことが多いので、下山後はがっつり系の食事がとりたくなるのは「登山あるある」
今回チョイスしたのは、群馬県ではメジャーらしいラーメンのチェーン店!
「おおぎやラーメン」http://www.oogiya.com/(沼田インター店)
人気No1は「みそラーメン」だそうです♪ランチタイムの時間に間に合ったのでモツ煮とみそラーメンがセットになったランチメニュー、しかも無料の小ライスも付けちゃいました(笑)
すんげぇー濃厚なみそラーメンは雪山登山の帰りには最高に身体が欲しがっちゃうやつです(笑)
嫁は餃子とのセットメニューを完食してました(笑)
寒い日は、間違いないやつなんで機会があればぜひご賞味ください♪
まとめ
何度か初心者向けと称されている雪山を山行記として書いてきましたが、「武尊山」も初心者の登竜門的な位置づけではあるとは思いますが、少々その言葉には語弊があるように感じます。
アイスバーンになっている急登箇所・高度感のある細い尾根・雪庇脇のトレースと舐めてかかるとちょっと危ない場所は存在します。
その時の天候(風・ガス・降雪等)で、初心者が簡単に歩けるかは変わります。これはどの山でも一緒ですが、決して簡単な山だとは思わないほうが良いと思います。
実際にこの日に目撃した初心者は、普通に下りられる斜面をおっかなびっくりで腰が引けた状態でポール(ストック)に頼って下りている場面を目撃しました、高度感は人によってまちまちですが、決して高度感のあるところではなかったのですが…。
全くの初心者には厳しいと思います、特に雪質がいくつも変わりそれ相当のアイゼンワークは必須だと思います、できればハイキングレベルの雪山でアイゼンでの歩行技術は身に着けてからのほうが安全だと思います。
SNS等にもよく掲載されますが「剣ヶ峰」は絶景ですしカッコイイのは事実!なので、ぜひ足を運んでチャレンジしてもらいたいとは思いますが、装備と技術はしっかり準備されてくださいね♪
ではでは。